
■精神科って何?
精神科とは、「統合失調症や精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者」と法律で定義された患者さんの診療を専門に行う診療科のことを精神科と呼んでいます。
主な業務としては、他の内科系と同じくドクターの補助や患者の観察、検査業務、医療処置などで、患者指導や家族への説明、指導なども行います。
特に注意しないといけないのが、患者さんのバイタルチェックです。
精神科にこられる患者さんは、見た目元気な方が多く、一見すると病気にすら見えません。
ただ、ほんの些細なことで病状が急激に悪化したり、わざと悪化しているように見せる方も居たりと、他の診療科以上に患者さんのチェックが大事になる診療科です。
精神科は楽だというイメージが付きやすいですが、チェック部分では他以上に必要なります。
■心療内科って何?
心療内科は、患者の身体面だけではなく心理・社会面を含めて、人間を統合的に診ていこうとする全人的医療を目指す医学の一分野で、心身医学と呼ばれています。
心療内科はそんな心身医学を診療する診療科です。
心療内科は主に心身症やストレスからくる身体症状を扱っています。
具体的には、
心身症、心気症、摂食障害、社会不安障害、うつ状態(うつ病とは違う)、自律神経失調症、
過敏性腸症候群、機能性胃腸障害、消化管障害、心因性嘔吐症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、など
が該当しています。
この部分が精神科との違いになります。
精神科では、うつ病、統合失調症、パニック障害などを主に診療します。
心療内科の業務は、精神科の業務とほぼ変わりません。
精神科で重点的に行われているのはバイタルチェックですが、心療内科では生活指導が重点され易くなっています。
これは心身医学の症例の要因として生活習慣病が密接に関与していることが多いため、看護師も患者さんに対して生活指導を重点的に行っています。
ただ、バイタルチェックをしなくて良い訳ではなく、バイタルチェックも同様に行っています。
■精神科と心療内科の違い
精神科と心療内科、日本では分かれていますが世界的には同一に扱われているのが一般的です。
日本でも精神科と心療内科の区別は決まっていなく、心療内科で精神科の患者さんを見ることも少なくありません。
これは本来精神科に行くべき患者さんが、心理的不安から精神科に行かず心療内科に行くことが多いためであると考えられています。
ただ、心療内科を専門としているドクターが精神科を完全に網羅しているかというと、そうではないこともあるとも言われています。
看護師として心療内科で働く場合、上記により精神科での対応方法を熟知しておく必要があります。
精神科にしろ心療内科にしろ、どちらかが良いということはありません。
楽そうに見えるからといって選んで失敗する方も多い診療科です。
コミュニケーション力だけではなく、薬の説明や生活指導ができるなど、ある程度キャリアを積んだ状態で働くことをオススメします。